「住み続けたい街ランキング」から見える多摩市の現在地【2026-03-07更新】 | LIXIL不動産ショップ多摩センター店 中央企画
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「住み続けたい街ランキング」から見える多摩市の現在地
多摩市は本当に住みにくい?
「住み続けたい街ランキング」から見える多摩市の現在地
2025年に発表された「いい部屋ネット 街の幸福度&住み続けたい街ランキング」によると、多摩市は「住み続けたい街(自治体)」ランキングで233位、「街の幸福度」ランキングでは410位という結果でした。
この数字だけを見ると、「多摩市の評価はあまり高くないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。特に、地域で不動産業を営む立場からすると、こうしたランキングは少なからず気になるものです。
しかし、日々地域の不動産市場や住民の動きを見ている実務的な感覚からすると、この結果は必ずしも「多摩市の住みやすさ」をそのまま表しているわけではありません。むしろ、このランキングを読み解いていくと、多摩市という街の特徴や現在の立ち位置、そして将来の可能性が見えてくる部分もあります。

ランキングは「街のブランド」ではなく「住民の主観」
まず前提として、このランキングは全国の居住者に対して行われたアンケート調査をもとに作成されています。
調査では
・現在の生活満足度
・街への愛着
・住み続けたいかどうか
・生活利便性
などの項目を総合して評価が行われています。
つまり、このランキングは「街の資産価値ランキング」や「人気住宅地ランキング」とは少し性格が異なり、あくまで住民が感じている主観的な満足度の傾向を示すものといえます。
そのため、都市の規模や住民構成、街の歴史などによって順位が大きく変わることも珍しくありません。
多摩市は評価が分かれやすい街
多摩市は、全国的に見ても特徴的な街のひとつです。
ご存じの通り、多摩市の多くの住宅地は1970年代から80年代にかけて開発された「多摩ニュータウン」を中心に形成されています。計画的に整備された街並みや豊かな緑地、公園の多さなどは、この街の大きな魅力です。
一方で、ニュータウン特有の課題もあります。例えば坂が多いことや、駅から距離のある団地が多いこと、また高齢化が進んでいる地域もあることなどが挙げられます。
このような特徴があるため、多摩市は「とても住みやすい」と感じる人もいれば、「少し不便」と感じる人もいるなど、評価が分かれやすい街でもあるのです。
不動産市場の動きはむしろ安定している
では、実際の不動産市場はどうでしょうか。
多摩市の住宅市場を見ていると、ランキングとは少し違う印象を受けます。
多摩センター、聖蹟桜ヶ丘、永山といった主要駅周辺ではマンション需要は比較的安定しており、一定の取引が継続しています。また最近では、都心の住宅価格の高騰や在宅勤務の普及などの影響もあり、広さや住環境を重視する層が郊外に目を向ける動きも見られます。
その意味では、多摩市のように緑が多く落ち着いた住宅環境を持つ街は、むしろ今の時代のニーズに合っている部分もあると言えるでしょう。
多摩市は「成熟した住宅都市」
都市にはそれぞれ成長の段階があります。
開発直後の新しい街は活気がありますが、時間が経つにつれて街は成熟し、住民の年齢構成や街の雰囲気も変化していきます。
多摩ニュータウンは開発からおよそ50年が経過し、現在はまさに「成熟した住宅都市」の段階に入っています。
団地の建替えや再生、街の機能更新などがこれから進んでいくことで、新しい世代が流入し、街の魅力が再評価されていく可能性も十分にあります。
実は「長く住む人が多い街」
日々の業務の中で感じることの一つは、多摩市では「住み替え相談」が非常に多いということです。
例えば、戸建住宅からマンションへの住み替えや、駅から遠い団地から駅近マンションへの移動、あるいは相続した実家の売却相談など、多くのケースがあります。
これは一見すると転出が多いようにも見えますが、裏を返せば長年この街に住み続けている人が多いということでもあります。
実際、多摩市は「一度住むと長く住む人が多い街」とも言われています。
ランキングは街を見直すきっかけ
ランキングの順位は確かに気になるものですが、それだけで街の価値が決まるわけではありません。
住みやすさは人それぞれのライフスタイルや家族構成、通勤環境などによって大きく変わります。
多摩市は、都心のような利便性を最優先にする人にとっては物足りなく感じるかもしれません。しかし、落ち着いた住環境や緑の多い街並み、ゆったりとした住宅地を求める人にとっては、とても魅力的な街でもあります。
今回のランキングをきっかけに、多摩市の現在の姿を改めて見つめ直し、この街の魅力や可能性について考えてみるのも良いのではないでしょうか。

◆多摩ニュータウン再生と今後の資産価値
多摩市の将来を考える上で欠かせないテーマの一つが、「多摩ニュータウンの再生」です。
多摩ニュータウンは1960年代後半から開発が始まり、1970年代から80年代にかけて多くの住宅地や団地が整備されました。当時としては日本最大級のニュータウン開発であり、計画的な街づくりや豊かな緑地環境などは今でも高く評価されています。
一方で、開発から半世紀以上が経過した現在、建物の老朽化や住民の高齢化といった課題も見えてきています。特に大規模団地では、住民の世代構成が似通っていることもあり、地域全体が一斉に高齢化しているエリアも少なくありません。
こうした背景から、近年は団地の建替えや再生、住宅ストックの有効活用などが全国的にも重要なテーマとなっています。多摩ニュータウンでも、UR団地の建替えや民間マンションの建替え検討などが徐々に進み、街の更新が少しずつ始まっています。
不動産の視点から見ると、このような「街の更新期」は実は大きな転換点でもあります。古い住宅ストックが更新されることで、新しい住宅や新しい世代の住民が流入し、街の活力が回復するケースは全国各地で見られます。
また、多摩市はもともと計画都市として整備されたため、道路や公園、公共施設などの都市基盤が非常に整っています。これらのインフラは簡単に作れるものではなく、長期的に見れば大きな資産とも言えるでしょう。
さらに近年は、都心部の住宅価格が大きく上昇していることもあり、広さや住環境を求めて郊外を選択する動きも見られます。多摩市のように自然環境と都市機能のバランスが取れた住宅地は、こうした流れの中で改めて評価される可能性もあります。
もちろん、すぐに街の姿が大きく変わるわけではありません。しかし、団地再生や建替え、住み替えなどが少しずつ進むことで、街はゆっくりと新しい世代へとバトンを渡していきます。
不動産の価値は、建物そのものだけで決まるものではなく、「街の将来性」によって大きく左右されます。そう考えると、多摩ニュータウンは今まさに次の時代へ向けた転換点に差し掛かっているとも言えるのではないでしょうか。
まとめ|ランキングだけでは見えない多摩市の魅力
ランキングの結果だけを見ると、多摩市の評価は決して高いとは言えないかもしれません。しかし、実際にこの地域で暮らす方々や不動産の動きを見ていると、多摩市には数字だけでは測れない魅力があると感じます。
豊かな緑とゆとりある街並み、計画的に整備された住宅地、そして落ち着いた生活環境。こうした要素は、長く安心して暮らす街として大きな価値を持っています。
また、多摩ニュータウンは今まさに再生の時期を迎えており、住宅の更新や世代交代が進むことで、これから新しい魅力が生まれてくる可能性もあります。
ランキングはあくまで一つの参考データに過ぎません。実際の暮らしやすさや街の価値は、その街での日常の中にあります。今回のランキングをきっかけに、あらためて多摩市という街の魅力を見つめ直してみるのも良いのではないでしょうか。
ページ作成日 2026-03-07