【多摩市地域発】相続税の基礎知識【2025-10-04更新】 | LIXIL不動産ショップ多摩センター店 中央企画

【相続・終活コラム】
相続税の基礎知識

～「うちは関係ない」と思っていませんか？～

「相続税なんて、うちは関係ないですよね？」
ご相談にいらっしゃる方から、よくこの言葉を耳にします。相続税は“資産家だけの問題”と考えられがちですが、実際にはごく一般のご家庭にも十分関係するものなのです。特に都市部に自宅を所有している場合や、預貯金・株式などの金融資産を合わせて数千万円規模になる場合、相続税の課税対象となる可能性は決して低くありません。



では、相続税はどのようにして計算されるのでしょうか。まず基本となるのが「基礎控除」という仕組みです。これは遺産のうち、一定額までは非課税とされるルールで、計算式は 3,000万円 ＋ 600万円 × 法定相続人の数 です。たとえば、相続人が配偶者と子ども2人の合計3人だと、3,000万円＋600万円×3＝4,800万円までが非課税となります。遺産総額がこれを超えた部分に対して相続税がかかります。

ここで注意したいのは、相続財産には現金や預金だけでなく、不動産や有価証券、死亡保険金の一部も含まれるという点です。たとえば、「持ち家1軒」と「金融資産5,000万円」というご家庭の場合、自宅の評価額と金融資産を合わせると基礎控除を超え、相続税の課税対象となるケースは珍しくありません。ご本人やご家族が「うちは大丈夫」と思っていても、実際には相続税申告が必要になることもあるのです。

さらに気をつけたいのは、税額がゼロでも「相続税の申告が必要」なケースがあることです。たとえば、生命保険金や過去の贈与分が加算され、基礎控除を超える可能性がある場合です。「税金がかからないなら申告しなくてもいい」と思い込んで手続きを怠ると、後からペナルティを受けることにもなりかねません。

相続税の対策というと「節税」に目が向きがちですが、本当に大切なのは“納税資金の準備”と“家族の円満な承継”です。もし相続税が発生するとなったとき、納税は現金で行う必要があります。不動産しかない場合は、売却を迫られるリスクもあります。そうならないように、生命保険を活用して現金を準備しておいたり、財産の分け方を遺言書であらかじめ示しておいたりすることが、ご家族を守る大切な備えになるのです。

相続税は、決して“お金持ちだけの問題”ではありません。まずは基礎控除額をもとに、わが家に当てはめてシミュレーションしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。気づかないうちに課税対象となっていることもあります。早めに確認し、必要な備えをすることで、安心して次の世代へと財産を引き継ぐことができます。

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